習い事教室でいう競合は、生徒さんを取り合う可能性のある他の教室のことです。見込み客は、必ず競合教室と比較検討して教室を選びます。“1番の教室”になるために、競合となり得る教室を事前に分析しておく必要があるんです。
私たちは「自分に”一番”合ってそうな商品やサービス」を選びます。わざわざ2番目や3番目を選ぶ人はいないはずです。
比較検討される教室がある場合は、しっかりと相手の強みや弱みを分析し「圧倒的に、ダントツであなたの教室の方がいい!」と言ってもらえることを目指しましょう!
では、競合分析の方法を詳しくみていきましょう。
競合分析の方法
競合分析では、身近なサービスである「Google検索」を活用します。
ここでのポイントは「見込み客の立場に立って」検索をすることです。実際に、見込み客が教室を探す時と同じように検索をして、出てきた教室を競合教室として分析していきます。
① スマートフォンで検索
私がプロデュースしている教室のデータから、約8割もの人がパソコンではなくスマートフォンで教室を探していることがわかっています。これは習い事教室特有の割合で、世間一般の平均値よりも高いものです。
そのため、競合調査を行う際もスマートフォンで行ってください。「スマートフォンで見た時にどう見えるか」も大事な要素の一つだからです。
※どうしても難しければパソコンでも構いません。
② キーワードで競合教室を検索
見込み客が教室を探す時のキーワードで、実際に検索をしていきます。
まずは、「英会話スクール」「ボーカルスクール」「ピアノ教室」「そろばん教室」「パソコン教室」など、あなたの教室を「もっとも一般的に表す言葉」で検索してみましょう。
今の検索エンジンは、位置情報(どこで検索をしているかの情報)が反映された検索結果が表示されるため、教室がある場所と違う場所で検索する場合や、位置情報をオフにして検索する場合は「新宿 英会話スクール」「渋谷 ボーカルスクール」など、教室の最寄駅を前につけて検索します。
③検索結果の20位(2ページ目)くらいまでをチェック
明らかに地域が異なり競合にならない教室、すでに廃業してしまっていると思われる教室は除き、検索結果で表示される20位くらいの競合となる教室を対象に分析していきます。
競合分析でチェックすべき3つのポイント
では、それぞれの競合について何をどのように分析していけば良いかを紹介します。競合のホームページでチェックするポイントは、大きく3つあります。それぞれ、具体的に見ていきましょう。
1.この教室の1番のメッセージは何?
まずは、競合の教室が1番伝えたいメッセージが何かを分析してみましょう。キャッチコピーとして表現されている場合もありますし、本文の中に繰り返し登場するフレーズの場合もあります。
検索して出てきた教室のホームページを見ながら、「この教室が一番伝えたいのは、このことかな?」というメッセージを見つけてみてください。探しても何も伝わってこない場合は「なし」とします。
2.この教室はどんな強み・特長がある?
次に、競合の教室のホームページを見て、強み・特長を3〜5つピックアップしてみてください。
専門家のあなたの視点からすると、強みや特長と思えないことも多くあるかもしれません。しかし、ここでは「あくまでも見込み客の視点で見る」ということを忘れないでください。
3.この教室は「誰の」「どんなニーズ」を満たす?
ステップ1:ニーズの調査で見つけたさまざまなニーズの中で、「誰の」「どのニーズを叶えているか」を判断します。
【誰のニーズを満たしているか?】
①必要に迫られている人のニーズ
②悩みを解決したい人のニーズ
③目的を達成したい人のニーズ
④趣味を持ちたい人のニーズ
いたって普通の教室で、レッスンをやっているだけで、成果がでそうかどうか、楽しそうかどうも分からないような教室の場合は「なし」とします。
英会話スクールの例
ではここで、私が生徒募集プロデュースをしている名古屋にある子供英会話スクールを例に、競合分析でチェックすべき3つのポイントを見てみましょう。
このホームページでは、「英語が大好きになる!4年間で英語の基礎力が定着する!」というメッセージを繰り返し伝えています。一見よくあるコピーに見えるかもしれませんが、「4年間で定着!」と言い切っているところがポイントです。
「1.教室の1番のメッセージは何?」の部分では「なぜ英語が大好きになるのか」「なぜ4年間で英語の基礎力が定着するのか」の根拠や理由、実績を強みや特長として伝えています。
「2.この教室にはどんな強み・特長がある?」の部分には、以下の内容を挙げました。
・4年間繰り返すから英語が定着する(お母様の喜びの声多数)
・飽きる時間がない、英語が大好きになるレッスン(動画あり)
・英検対策もバッチリ(日本英語検定協会から奨励賞)
・厳選された熱心なネイティブの先生
・30年の歴史、延べ2万人以上指導(卒業生の進路も立派)
「3.この教室は誰のどんなニーズを叶える?」のところは、子供の将来を願う親御様の「英語が大好きになってほしい」「きっちりと英語力を身に付けてほしい」というニーズを叶える、と入れました。2つとも、子供英会話スクールに求められているメインのニーズです。
もし「負けていない」と感じたら
正直、ここで紹介した英語教室のように、対策がしっかりされた教室が競合にあると厄介です。その場合は、真正面から戦おうとせず、他の方法を検討する必要があります。
競合分析の結果、「自分の教室の方が良かった」「他の教室に負けてなかった」と言う方がいます。しかし、本当にそうでしょうか。
あなたは生徒さんの集客で困っているから、このページを見て、競合分析をしてみたはずです。
少し厳しい言い方になりますが、もし現時点で「自分の教室が一番だ」「他の教室より魅力的だ」と思っている場合は、きちんと競合分析ができていない、あなたの教室や他の教室を客観的に見られていない可能性が高いです。
「自分の教室が一番だ」「他の教室より魅力的だ」と思った方は、今一度素直な気持ちで劣っている部分を認め、受け入れてみてください。そして、何度でもこの競合分析を行ってみることをおすすめします。
どうしても自分一人では他の教室の良いところを客観的に見ることができないという方は、家族や友人などに代わりに競合分析してもらってみてください。客観的に見れる人に、競合分析してもらってください。
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